主張・評論「浜岡原発で思った事」 片山繁行氏が投稿
17.04.21
片山 繁行
建築の仲間たちとの研修旅行で、ガードマンの物々しい警戒の中の浜岡原発に初めて行きました。
生年月日を示す免許証の提示など入館の手続きは結構うるさいのですが、出入り口の車止めは、
警戒のわりに結構ちゃちなもので、ダンプカーが強引に突破しようとしたら、簡単に破られる
程度のものでした。面倒な手続きが終わってから、最初に東北地震以後、中電として、どんな
に一生懸命事故対策を行っているかのPRビデオを見せられ、その後展望台に連れて行かれ、上
の方から浜岡原発の1号機から5号機の全容の説明がありました。それから、展示室で原子力発
電の模型と、かの有名な「高さ22m津波対策防波堤」の実物模型を見ました。その後、撮影禁
止の為、携帯・カメラをロッカーにおいてから、22m防波堤の見学に出かけました。防波堤は、
延長1.6キロメートルと聞いていたのですが、マイクロバスで防波堤の取っ付き部分1ヶ所だけに
降りての見学でした。カメラ類を取り上げられていたので、もう少し何カ所か見せてくれると思
っていたので、残念でした。
展示館に戻るマイクロバスの中で、地震対策のため、常時4400人余りの人たちが毎日作業してお
り、年間4000億円も工事費がかかっていると自慢げに説明をされていましたが、私たちが払って
いる電気代の中からこんなに使っているとかと悔しい思いでした。中電管内でどの程度電気を購入
している世帯があるのか分かりませんが、仮に1000万世帯だとしても、地震対策だけで1世帯当た
り、年間4万円電気代を払っていることになります。原発が稼働するようになると、毎年2000億円
の輸入燃料の費用が減るそうで、早く動かしたいとの口ぶりでした。しかし、1号機、2号機の廃炉
費用が今後どれだけ必要かについては、説明がなくだんまりで、今となっては、国民の常識となっ
た「原発による電気」は高くなる、「子孫に負の遺産を残す」「放射性廃棄物処理施設が無い」と
いう意識とは全くかい離した説明でした。
3連動地震の大津波だけでなく、北朝鮮との緊張状態が続いている国際情勢を考えると、北朝鮮か
ら、原発を狙った通常のミサイルが飛んで来たら、原爆を投下されたと同じ状態になります。北朝
鮮に近い福井県、新潟県などの日本海側に多く原発が立地していることを考えると、広範囲に住め
ない国土になることをこの国の保守的政治家はどう考えているのか、改めて心配した浜岡原発の見
学でした。