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ハナモモ育樹祭を終えた次の日、映画『人生フルーツ』 を観てきました。 鈴木かずとも様
17.02.13
風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
ゆっくり、こつこつ。
映像の中で何度も語られるこの言葉は、 人間の里山の営みを象徴している。
自然を整え、 自然の恵みをいただいて生活の糧として暮らす様子は、「 自然と共に生きる」というより「自然の一部として生きている」 と表すべきものと感じられた。
また、里山を営んで暮らす人の持つ創造性に驚いた。 自然から得た果実と、 火や包丁などの道具を用いてあらゆる料理を生み出すことができる 。それは、 自然の恵みを人の暮らしに活かすための技術を体得しているからこ そできるのであって、里山に生きることの価値は、 果実をはじめとする自然からのいただきものそれ自体だけでなく、 それらを享受できる形に変える創造性をも含むものと思われる。
ハナモモ育樹祭にて自分が植えた苗の場所を私は覚えている。 いつ葉が出て、いつ花が咲くものか、今から楽しみにしている。 そしてやがては、映画の雑木林の如く、枯葉を落とし土を肥やし、 あの斜面の上に豊かな自然が生まれくるのを見たいと思っている。
岩成台 鈴木かずとも