今後の活動方針
高蔵寺ニュータウンをとりまく状況
2020年4月1日現在、高蔵寺ニュータウン7地区の世帯数は20千、人口42千人、高齢化率35%である(いずれも住民基本台帳の数字による)。2010年からの10年間で世帯数では500、人口は6千人も減少した。団塊の世代が高齢期を迎えるにつれ、さらに高齢化率の急上昇も予想される。
人口の減少に伴い、賃貸、戸建を問わず空き家が増加し、児童生徒数の減少に伴う学校統廃合、空き教室の増加も目立ち始めている。また、50年を経過した今、建物・道路・上下水道といった都市基盤の老朽化が進んでおり、点検・更新が必要となっている。
高蔵寺ニュータウンの特徴の一つは坂道が多く、そのことが高齢者や障がい者の外出行動を制約し、加えて近隣商店の閉店も引き金となり、多くの買物難民を生み出している。また、もともと近隣との繋がりが希薄な上に、近くに気軽に集い、憩える「場」が不足していることが、高齢者を中心とした「孤立死」や「ひきこもり」の増加につながっている。さらには、子育て世代や障がい者の暮らしを支えるための施設やサービスの不足、勤め帰りのサラリーマンが集い、憩える場の不足、子育て世代や子供たちにとって魅力的な施設が不足しているなど環境が、高蔵寺ニュータウンへの若年層の人口流入を期待できない要因にもなっている。
その一方で、高蔵寺ニュータウンのこうした現状を何とかしたいという新しい機運や動きが芽生えている。具体的には、(1)ニュータウンのにぎわい、活性化を目指す高蔵寺まちづくり株式会社設立 (2)既存の町内会・自治会に代わる住民組織や団体の活動(例;石尾台おとなの学校、押沢台ぶらぶらまつりや各種ボランティア活動等)、(3)団体間の連携やネットワークづくりの進展(例;東部ほっとステーション、ハナモモ桃源郷の会の活動等)(4)春日市市政アドバイザーの設置、(5)中部大学との地域連携(6)大学生参加による高蔵寺ニュータウン研究会の活動、高森台中学校での「まちづくり」授業等、若年層の関心の増大である。
活動計画
どんぐりsは、こうした問題や新しい動きを踏まえつつ、また、組織の力量や会員の特性を考慮しながら、"健康で安心して生き甲斐のある暮らしができるまち"、"住み継ぐまち"の実現を目指して、次の活動に取り組む。
1.地域の人々が安心・快適に暮らすための住環境の整備、生活支援活動を行う
- (1)
- みどり豊かな自然や住環境を守るため、環境の整備や維持管理事業を行なっていく。環境部会である「魅力ある高森山公園をつくる会」、「高蔵寺ニュータウン活き活き楽農会」の更なる発展を目指す。
- (2)
- 新たに「生活支援事業部会」を立ち上げ、地域住民の生活(暮らし)を支援する困りごと相談会等の活動を行う。
2.学習・交流のためのイベントを開催する。
- (1)
- 地域をめぐる問題やまちづくりに必要な学習会・講演会「どんぐりsカフェ」を行う。
- (2)
- 他団体と協力しながら、さまざまな人々が参加できるまちづくりイベントを開催する。
3.ネットワークづくりや官民協働により地域未来プランづくりを目指す。
- (1)
- 地域組織・NPO組織・ボランティア組織等とネットワークづくりや支援に取り組んでいく。
- (2)
- 春日井市等行政と合致する事業は協働・参加、必要に応じて要望を提出。
- (3)
- ニュータウンに関する諸情報(地域住民、各種団体・行政・URの動きや問題)の調査、把握。
- (4)
- "NECOガーデンシティ構想"の再点検、普及宣伝活動。
4.官民協働による地域未来像づくりを目指す。
- (1)
- ニュータウンに関する諸情報(地域住民、各種団体・行政・URの動きや問題)の把握
- (2)
- "NECOガーデンシティ構想"の再点検、普及宣伝活動
- (3)
- 春日井市、URへの提言や要望提
組織・運営
以上の活動に取り組むためには、状況に応じて臨機応変に対応できる組織・運営体制が必要である。
- 理事一人ひとりの役割分担を明確にして活動する。
- 事務局体制を充実させ、新たな課題に対して敏速に対応できるようにする。
- 活動拠点を設けるよう努力し、諸会議、会員・地域住民との交流がしやすい状況を創り出す。
- 活動に必要な資金を確保する(会費、助成金、事業収益、寄付等)。